障がい者グループホーム入居者の収入目安・就労パターンを解説!
これから障がい者グループホームで暮らすときに「どのくらいの収入があればいいの?」と疑問に思うことはありませんか?
障がいを抱える方の就労方法は、障がい者雇用をはじめ、就労継続支援A型・B型など、さまざまな選択肢がありますよね。
ほかに収入を増やす方法として「障害年金」を申請する方法もあります。
今回は、「グループホーム入居のために必要な収入の目安」と、「どのような就労の形であれば障がい者グループホームに入居できるのか?」、分かりやすく解説していきます。
これから障がい者グループホーム「レフィナ大阪市城東区」への入居を検討している方は、よかったら参考にしてみてくださいね。
目次
障がい者グループホームの1ヵ月の費用を割り出す
まずは、入りたい障がい者グループホームの1ヵ月の費用を割り出してみましょう。
障がい者グループホームで生活する際の1ヵ月の費用が分かれば、入居のために必要な収入が分かります。
たとえば、当法人の障がい者グループホーム「レフィナ関目」の場合を例として挙げます。
「レフィナ関目」のグループホーム費用
家賃 | 35000円 (1万円の家賃補助による割引前の価格) |
食材料費 | 29000円(1日3食の提供) |
光熱水費 | 10000円(実費) |
日用品費 | 3000円 |
合計 | 77000円 |
「レフィナ関目」の場合、グループホームの1ヵ月の費用は「77000円」としています。
実際には、ここから家賃の公的補助が適用されると「1万円」お安くなり、「レフィナ関目」に関しては、水道代・ガス代が無料(光熱費は8000円~10000円以内)となりますので、「65000~67000円」がグループホーム費用の目安です。
これに加えて、個人による出費を計算してみると、
グループホーム生活者の個人出費
携帯代 | 3000円(格安プランの場合) |
通信費 | 0円(無料Wi-Fi貸出) |
交通費 | 2000円(大阪メトロは障がい者割引有) |
医療費 | 6000円 |
服飾費 | 5000円 |
娯楽費 | 3000円 |
その他 | 5000円 |
個人による1ヵ月の出費は、「24000」円程度となります。
1ヵ月のグループホーム費用と個人出費を合わせた額は、
65000円+24000円=89000円
が目安となります。
参考までに、障がい者グループホーム利用者の一ヶ月の平均出費は「94832」円(※)となっております。
(※厚生労働省の資料、『障害者の生活実態に関する調査方法に係る研究(平成三十一年)』三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社による)
つまり、障がい者グループホーム「レフィナ」で生活する場合は「9」万円前後の収入が必要となるでしょう。
他社のグループホームでも「9~10」万円前後が用意できれば、基本的に入居できるグループホームは多いと言えます。
就労A型・B型、障がい者雇用、障害年金をどのように組み合わせるか?
さきほどの項目で確認しましたように、障がい者グループホーム「レフィナ」の1ヵ月の生活費としては「9万円」を見込んでおけば、ほぼ問題なく利用できます。
つまり、障がい者雇用、就労A型・B型などの作業所、障害年金による収入の合計が「9万円」以上になれば、十分に生活が可能です。
では、障がい者グループホームで生活する場合、どのような就労パターンの組み合わせがあるのか、一緒にシュミレーションしていきましょう。
障がい者グループホームを利用するための就労パターン早見表
障がい者グループホーム利用のための「就労パターン早見表」を作成しましたので、参考としてご活用ください。
就労・収入 | 金額 | 受け入れ可否 |
就労継続支援A型のみ | 45000~90000円 | △ 場合によっては可能 |
就労継続支援B型のみ | 5000~20000円 | × 不可 |
就労継続支援A型 +障害基礎年金2級 |
14万5000円 | ◎ 十分に可能 |
就労継続支援B型 +障害基礎年金2級 |
8万円 | △ 家族負担があれば可 |
障がい者雇用・クローズ就労 | 12万円~16万円 | 〇 可能(※利用者負担額に注意) |
障がい者雇用 +障がい基礎年金2級 |
18万5千円~ | ◎ 十分に可能 |
障害基礎年金1級2級のみ | 65000円~81000円 | × 不可 |
生活保護 | 記載なし | 〇 可能 (※日中活動先があることが望ましい) |
①就労継続支援A型のみ
収入の目安:45000~90000円
障がい者グループホーム入居の可否:△ 場合によっては可能
おすすめ度:☆☆☆
障がい者の就労先のひとつとして「就労継続支援A型」があります。
福祉的な就労(作業所)となりますが、実際に企業と雇用契約を結び、最低賃金が保証されるため、月額「45000~90000円」程度の収入を得ることができます。
A型作業所の主な作業内容は、「軽作業・データ入力・事務作業・清掃・バックヤード業務」などが多く、就労にブランクのある方や、障がいを抱える方でも取り組みやすい就労内容となっています。
就労A型の収入は、最低賃金で計算するところがほとんどで、働いた時間と日数で給料が決まります。
労働時間としては、おおむね「2~4時間」の短時間勤務が主になっていて、基本的には「週4~5日(月20日以上)」の出勤が求められます。
就労A型では、月22~23日の出勤と4時間以上の勤務で、月9万円程度の月収になります。
そのため就労A型の収入のみで、グループホームのアパートを借りる場合は、就労A型で「週5日4時間以上」を安定して通える状態であれば、可能と言えます。
しかし実際には、当事者の体調には波があることがほとんどで、症状の悪化により出勤しつづけることが難しくなるケースもあります。
その場合は、障害年金の申請を検討するか、ご家族から不足分の援助を受ける、もしくは入居前に実家などで貯蓄しておく方法があります。
障がい者グループホーム「レフィナ大阪市城東区」と提携する、大阪・北浜の就労A型「リリーフ・Relief」では、障がいを抱える方でも無理なく作業しやすい「在宅ワーク」に取り組むことができます。
就労A型「リリーフ」と併用した場合は、「レフィナ」の居住スペースで、お部屋にいながら「在宅ワーク」のPC作業に取り組めますので、この機会にご検討ください。
②就労継続支援B型のみ
収入の目安:5千円~2万円
障がい者グループホーム入居の可否:× 不可
おすすめ度:☆
就労継続支援B型の場合は、従来の福祉就労の作業所となり、工賃収入としては「5000~20000」円ほどになります。
就労A型との違いは、「雇用契約を結ばない」点で、最低賃金の保証がないため、月額の収入が少なくなっています。
作業内容としては「パンや菓子の製造販売・手芸・農園作業・部品組み立て・検品」といった、主に生産活動や内職に関わるものが中心となっています。
A型と比べると福祉的な就労の意味合いがより強く、生活リズムを整えたり、日中の活動先や居場所として使われているケースが多いと言えます。
まれにIT関係や専門的な技能に特化したB型作業所で収益を上げ、利用者に還元している優良な法人もありますが、全国的に見てもごくわずかの事例となっており、就労B型の本人収入のみでは、グループホームへの入居は難しいと言えます。
後述する「就労B型+障害年金2級」では、ご家族からの資金的な補助があれば入居できるケースもありますので、よろしければご検討ください。
③就労A型+障害基礎年金2級
収入の目安:11万~15万5千円
入居の可否:◎ 十分に可能
おすすめ度:☆☆☆☆☆
障がい者グループホームへの入居を検討する際、最もおすすめする方法が「就労継続支援A型」と「障害基礎年金2級」を組み合わせる方法です。
就労A型での収入は月額「45000~90000円」となり、障害基礎年金2級の支給分「65000円」と合わせることで、「11~15万5千円」程度の収入となります。
障がいがある方にとって、疾患の症状により体調に波があることは避けられませんが、障害基礎年金の部分が生活のセーフティネットとなり、就労A型の収入を補うことができます。
就労A型の収入は、「出勤日数」×「勤務時間」で決まるので、体調を崩して休んでしまうと収入が目減りし、障がい者グループホームでの生活が負担になるリスクもあります。
しかし、障害基礎年金を受給していればその点を十分にカバーできるので、安心してグループホームで生活できます。
また、この場合だと本人収入のみでの入居が可能になるので、ご家族や親族に負担が掛かることもなく、一人暮らしが可能になり、安心して新生活をはじめられます。
体調不良のときは障害年金が生活費をカバーし、体調が良好なときには就労A型の収入から貯蓄ができるというバランスの取れた収支になりますので、最もおすすめする方法です。
障害年金の申請を希望される場合、当コラムの過去記事(「障がい者グループホーム入居のための障害年金Q&A」)や、就労A型リリーフのコラム(「障がいを抱えて暮らす人のための障害年金Q&A」)にて、障害年金について詳しく解説しておりますので、ご参照ください。
④就労B型+障害基礎年金2級
収入の目安:8万円
入居の可否:△ 家族からの援助があれば可
おすすめ度:☆☆
就労B型での収入と障害基礎年金2級を組み合わせた場合、本人収入の目安額は「8万円」前後となります。
障がい者グループホームで生活する場合、約「9万円」程度を見積もっておくとよく、本人収入のみでは若干届かず、やや不安要素が残ります。
個人出費を切り詰めることで生活は不可能ではないですが、かなり厳しい予算となってしまうため、ご家族から月「2~3万円」ほどの援助があれば、グループホームでの生活は可能と言えます。
本人収入のみでの入居は難しいので、ご家族の方とよく相談した上で、グループホームの利用を検討してみましょう。
独り身であるなど、何らかの事情によりご家族からの支援が難しく、本人が障がい者グループホームへの入居を希望している場合、生活保護を申請するケースもあります。
⑤障がい者雇用もしくはクローズ就労
収入:12万~16万円
入居の可否:可 (※利用者負担額に注意)
おすすめ度:☆☆☆☆
障がい者雇用もしくはクローズ就労(障害の内容を伏せ、一般就労で働くこと)の場合、収入の目安は「12万~16万円」となります。
最新の厚生労働省の資料(令和5年度 障害者雇用実態調査)によると、雇用されている障がい者の平均賃金は、身体障がい者で「23万5千円」、知的障がい者で「13万7千円」、精神障がい者で「14万9千円」、発達障がい者で「13万円」となっています。
ただし、この平均はフルタイム勤務の障がい者の賃金をカウントしているため、パートタイムや短時間就労に絞った場合、平均賃金はより低くなることが予想されます。
障がい者グループホームへの入居は可能ですが、注意点として、「障がい福祉サービス利用料」の負担が必要になるケースがあります。
障がい者グループホームを利用する場合、「障がい福祉サービス利用料」が発生します。
障がい者グループホームは「共同生活援助」と呼ばれる福祉事業にあたり、所得に応じて「障がい福祉サービス」の利用料が変わります。
「共同生活援助」の障がい福祉サービスの利用料は「0円」か「37200円」のどちらかしかありません。
生活保護、もしくは市町村民税が「非課税」の場合、「障がい福祉サービス利用料は0円」となるのが一般的ですが、市町村民税が課税される場合は「37200円」のサービス利用料が発生します。
これは「応能負担」と呼ばれるもので、所得が高くなった場合にはそれに応じた負担を求める、という制度設計に基づいています。
たとえば大阪市の場合だと、障がい者で前年度の合計所得金額が「135万円以下」であれば、市町村民税が非課税となります。
給与収入で計算すると、年収が「204万4千円」を超えると、障がい者であっても課税の対象となるラインで、月収で計算すると2044000円÷12ヵ月=「約17万円」がボーダーラインになります。
フルタイム勤務でないかぎり、障がい者でこの月収ラインを超えることは基本的には稀です。
ただし、大手企業の障がい者雇用やクローズ就労なども視野に入れる方は、月収「17万円」を超えると、グループホームを利用するメリットが薄くなります(37200円の利用料が掛かる)ので、参考程度に覚えておくとよいでしょう。
なお、「障害年金」は「所得」としてはカウントされない非課税の年金ですので、所得に含めて計算する必要はありません。
⑥障がい者雇用+障害年金2級
収入の目安;18万5千円~
入居の可否:◎ 十分に可能
おすすめ度:☆☆☆☆
障がい者雇用と障害年金2級を組み合わせた場合、収入の目安は「18万5千円~」となるため、障がい者の生活としてはゆとりのある暮らしを送ることができます。
障がい者グループホームへの入居だけでなく、一般賃貸でのアパート暮らしも十分に検討できる範囲です。
ただし、障害年金の支給要件として、障害により労働や日常生活に困難が生じていることがポイントとなり、とくに精神での認定の場合は、「一人暮らし」をはじめることで、支給が打ち切りとなったケースもあります。
仮にそういったケースにおいてご不安を感じる場合、障がい者グループホームで支援を受けながら徐々に社会復帰を図るという方法もあります。
このケースでは貯蓄も十分に可能ですので、障がい者グループホームを経由することで一人暮らしの資金を貯め、地域生活へ移行できるメリットがあります。
⑦障害年金1級・2級のみ
収入:6万5千~8万1千円
入居の可否:× 本人収入のみでは不可
おすすめ度:☆
障がい者グループホームでよく相談される事例として「障害年金の受給のみで、障がい者グループホームに入居できるか?」というご質問がありますが、このケースでは本人収入のみは不可となります。
障害基礎年金2級の場合では「65000円」、1級で「81000」円の支給がありますが、1ヵ月のグループホーム費用以外に使えるお金が残らなくなってしまうため、ご本人さまの生活収支のリスクが高くなってしまいます。
障がい者グループホームは長い年数での入居も可能ですが、「障がい者が自立し地域生活へ移行するまでの住まい」としての側面もありますので、障害年金のみの入居はあまりおすすめしません。
障がい者グループホームでは、受け入れ可否の要件に「日中の活動先があること」を条件とする事業所も多いので、作業所となる就労A型・B型などの利用も検討しましょう。
作業所に十分に通えるようになり、工賃も貰えるようになった段階で、障がい者グループホームを利用しても遅くはありません。
⑧生活保護
入居の可否:〇 可(日中の活動先があることが望ましい)
おすすめ度:☆
収入などの面で生計を維持することが難しい場合に、生活保護を利用して障がい者グループホームを利用する方法があります。
あくまでも「生活面や金銭面等でサポートできるご家族やご親族がいない」「障がいの程度によりご自身で収入を得ることが困難」といった場合にのみ、検討する手段となります。
障がい者グループホーム「レフィナ大阪市城東区」でも、生活保護の方の受け入れも行っておりますが、基本的には「日中の活動先があること」が望ましいと言えます。
これは、障がい者グループホームが「障がいを抱える当事者が自立した生活を送るための場」として運営されているためです。
ほとんどのグループホームで「日中の活動先があること」が入居の条件となっています。
たとえば、就労が可能であれば、障がい者雇用、就労A型・B型などの「作業所」、「就労移行支援」、就労そのものが難しいケース(障害支援区分が3以上)では、「生活介護」などが日中活動先としてあります。
すぐに日中の活動先が見つからない場合でも、入居と並行して日中活動先となる障がい者施設を探してみましょう。
大阪市内で一人暮らしをはじめたいなら「レフィナ大阪市城東区」へ
今回は「障がい者グループホームの入居に必要な収入の目安」「障がい者グループホームを利用するための就労パターン」について解説しました。
障がい者グループホーム「レフィナ大阪市城東区」では、新規入居者を随時募集中です。
大阪・北浜の就労A型「リリーフ」と提携しておりますので、障がい者グループホームの居室で在宅ワークを行っていただけます。
記事でご紹介しましたように、就労A型の「リリーフ」で収入を得て、障がい者グループホームの利用費の月々のお支払いに充てることも可能ですので、よろしければご検討くださいませ。
初期費用無料で「収納付きベッド」「省スペースデスク」「32~40インチチューナーレステレビ」「電子レンジ・湯沸かしケトル」など、おトクな家具・家電付の障がい者グループホームです。
お部屋は全室フローリングで、個室のお部屋をご用意しておりますので、障がい者グループホームといっても、ほぼ一人暮らしと同等の条件で暮らすことができますよ。
モデルルーム・現地見学の予約は下記のボタンフォームより受け付けております。
「大阪市内で一人暮らしをはじめたい」障がい当事者の方は、ぜひ「レフィナ大阪市城東区」へお越しくださいませ。